つかもと形成外科・創傷クリニック

おでき|神戸・明石・垂水つかもと形成外科・創傷クリニック|美容皮膚科・美容外科

神戸市垂水区日向二丁目2-4 垂水日向ビル 2F(垂水区役所北側)

おでき

BOIL

おでき(癰・癤)とは

院長の塚本金作の画像

一般的に「おでき」と呼ばれる症状は、医学的には「癤(せつ)」や「癰(よう)」と呼ばれる、毛穴の奥で細菌(黄色ブドウ球菌など)が感染・増殖して起こる急性の化膿性炎症を指します。
「ただのできもの」との大きな違いは、急激に赤く腫れ上がり、ズキズキとした強い痛みを伴う点です。特にお尻や太もも、背中、顔など、汗をかきやすく摩擦が生じる部位によく見られます。また、粉瘤(アテローム)が細菌感染を起こして「炎症性粉瘤」となった状態も、一般的にはおできとして認識されることが多く、これらは放置すると周囲の組織を破壊しながら拡大し、さらなる激痛や発熱を引き起こすリスクがあります。

形成外科専門医の視点では、単に抗菌薬を処方するだけでなく、「適切なタイミングで膿を出し(切開排膿)、いかに痛みと腫れを最小限に抑えて、跡を残さず治すか」を重視して治療を行います。

おできを適切に治療するメリット

おできを自己判断で放置せず、形成外科で早期に適切な処置を受けることには、以下の大きな意義があります。

痛みと腫れの
即時緩和

おできの強い痛みは、内部に溜まった「膿(うみ)」が周囲を圧迫することで生じます。形成外科では、局所麻酔下で数ミリの切開を行い、膿を排出する「切開排膿」を迅速に行います。これにより、その場でおでき内部の圧力が下がり、劇的に痛みを軽減させることが可能です。

炎症拡大と
「醜い傷跡」の防止

おできを無理に潰したり放置したりすると、炎症が皮膚の深い層に広がり、組織が欠損して深い陥没跡(クレーター)が残ることがあります。早期に専門的な洗浄・消炎処置を行うことで、炎症の範囲を最小限に食い止め、術後の傷跡を一本の線のようになじませ、きれいに治すことができます。

根本的な原因
(粉瘤など)の特定

「おできが何度も同じ場所にできる」という場合、その正体は単なる細菌感染ではなく、皮膚の下に袋がある「粉瘤」である可能性が高いです。形成外科専門医は、炎症が治まった後に精密な診断を行い、原因となる袋ごと切除する「根治手術」を提案できます。これにより、おできの再発を根本から防ぐことができます。

正確な鑑別診断と
重症化の回避

おできに似た症状の中には、稀に特殊な真菌感染症や、悪性腫瘍が二次感染を起こしているケースも存在します。専門医が診察することで、必要な検査(細菌培養検査や病理検査)を行い、適切な抗菌薬の選択や処置を行うことで、敗血症などの全身的な重症化を未然に防ぎます。

おできとできものの違い

「おでき」と「できもの」は日常的に混同されやすい言葉ですが、医学的な緊急性や治療のアプローチは大きく異なります。
今ある症状が「急ぎの処置が必要なもの」なのかを判断する目安にしてください。

「おでき」は急を要する細菌感染

「おでき」とは、医学的には「癤(せつ)」や「癰(よう)」と呼ばれる、毛穴から細菌が侵入して起こる急性の化膿性炎症を指します。

特徴

数日のうちに急激に赤く腫れ上がり、ズキズキとした拍動性の強い痛みを伴います。

状態

内部で「膿(うみ)」が作られている最中であり、放置すると熱感を持ったり、皮膚が自然に破れて膿が溢れ出したりします。

緊急性

炎症が広がると周囲の組織を傷め、深い傷跡を残す原因となるため、早急な抗生剤治療や切開排膿(膿を出す処置)が必要です。

「できもの」は腫瘍やあざなどの総称

「できもの」は、皮膚に生じる腫れ、しこり、盛り上がり全般を指す広い言葉です。医学的には「皮膚腫瘍」に含まれます。

主な種類

粉瘤、脂肪腫、イボ、ほくろ、良性・悪性の腫瘍など。

状態

基本的には痛みがなく、数ヶ月から数年かけてゆっくりと大きくなるのが特徴です。

粉瘤との関係

普段は「できもの」として静かに存在している粉瘤が、細菌感染を起こして急に腫れ上がった状態(炎症性粉瘤)が、一般的に「おでき」として自覚されるケースが非常に多く見られます。

判断のポイントと対処法

1.急に腫れて、触ると痛い場合

「おでき(細菌感染)」の可能性が高いです。放置すると炎症が広がり、周囲の組織を壊死させてしまうことがあるため、早急な受診をお勧めします。抗生剤の服用や、溜まった膿を出す処置を行うことで、痛みは速やかに改善します。

2.痛みはなく、
ずっとそこにある場合

「できもの(良性腫瘍など)」の可能性が高いです。緊急性は低いですが、自然に消えることはありません。ご自身の都合が良いタイミングで受診いただき、将来的なトラブルを防ぐための計画的な摘出を検討しましょう。

いずれの場合も、ご自身で無理に潰すことは絶対に避けてください。細菌を皮膚の奥深くへ押し込み、重症化や醜い傷跡の原因となります。「痛いおでき」も「痛くないできもの」も、形成外科専門医が適切な診断に基づき、最もきれいに治る方法で処置いたします。

おできの種類と症状

荒れた肌の画像

「おでき」と一口に言っても、単なる毛穴の炎症から、手術が必要な良性腫瘍の感染まで、その原因は多岐にわたります。ここでは、当院の形成外科外来で「おでき」として受診される頻度の高い代表的な疾患について解説します。

癤(せつ)・癰(よう)

一般的に「おでき」と呼ばれるものの正体で、毛穴の奥に細菌が入り込み、強い炎症を起こした状態です。 1つの毛穴に限定されたものを「癤(せつ)」、隣り合う複数の毛穴に広がり巨大化したものを「癰(よう)」と呼びます。赤く腫れ上がり、ズキズキとした激しい痛みが特徴です。炎症が進行すると中心部が膿んで白くなり、放置すると周囲の組織まで破壊されるため、早期に抗生剤の投与や切開排膿が必要です。

炎症性粉瘤

「できもの」である粉瘤に細菌感染が加わったり、袋が内部で破裂したりして「おでき」化した状態です。 通常の粉瘤は痛みのないしこりですが、一度炎症を起こすと急速に腫れ上がり、強い痛みと熱感を伴います。おできの中でも非常に多く見られるケースですが、根治には炎症が落ち着いた後に「袋(嚢腫)」を摘出する手術が必要です。

毛嚢炎(もうのうえん)

毛穴の浅い部分に細菌が感染し、小さく赤く盛り上がったり、白い膿を持ったりした状態です。 「おでき」の初期段階と言えます。軽度のものは清潔の保持や外用薬で改善しますが、炎症が深い層へ進むと「癤(せつ)」へと悪化するため、早めのケアが大切です。

石灰化上皮腫(感染時)

皮膚の一部が石のように硬くなる良性腫瘍ですが、時に内部で異物反応や感染を起こし、おできのように赤く腫れることがあります。 若年者に多く、触れると「石のように硬い塊」を感じるのが特徴です。石灰化しているため自然に膿が出ることは少なく、痛みや腫れを繰り返す場合は手術による摘出をおすすめします。

皮膚膿瘍(ひふのうよう)

皮膚の下に膿が溜まった状態の総称です。 外傷や虫刺されなどをきっかけに細菌が入り込み、深い場所で膿の溜まり(膿瘍)を作ります。表面から見ると赤く盛り上がったおできに見えますが、内部では広範囲に膿が広がっていることもあります。超音波検査などで膿の広がりを確認し、的確な位置を切開して膿を出す処置を行います。

膿皮症(化膿性汗腺炎)

脇の下や付け根、お尻など、汗腺が多い部位に「おでき」が繰り返しできる疾患です。 単発のおできとは異なり、皮膚の下で膿の通り道(瘻孔)が形成され、何度も炎症を繰り返すのが特徴です。重症化すると広範囲に硬いしこりや傷跡が残るため、形成外科専門医による計画的な切除や術後管理が重要になります。

感染したニキビ(尋常性痤瘡)

顔や背中などにできるニキビも、悪化して膿が溜まると「おでき」のような状態になります。 特に深い場所で炎症が起きた「結節型」や「嚢腫型」のニキビは、強い痛みを伴い、治った後も陥没した傷跡(クレーター)になりやすいため、早期の消炎処置や、必要に応じた微小切開による膿の排出が有効です。

おできができやすい部位と特徴

おでき(細菌感染による炎症)は全身どこにでも発生しますが、
部位によって「蒸れやすい」「摩擦が起きやすい」などの条件があり、重症化のしやすさや治療のポイントが異なります。

顔・首のおでき

顔や首は皮脂腺が発達しており、ニキビから悪化したおできや、粉瘤が炎症を起こした「炎症性粉瘤」が非常に多い部位です。 特に鼻の周りや唇付近のおできは、細菌が血管を通って頭蓋内へ波及するリスク(面疔・めんちょう)も考慮しなければなりません。また、顔は傷跡が目立ちやすいため、形成外科では「いかに小さな切開で膿を出し切り、術後の跡を最小限にするか」にこだわって処置を行います。

脇(わき)のおでき

脇は汗をかきやすく、衣類や皮膚同士の摩擦が多いため、細菌が増殖しやすい環境にあります。 一度おできができると、腕を動かすたびに激痛が走り、日常生活に支障をきたします。また、脇には「化膿性汗腺炎(膿皮症)」という、おできを何度も繰り返して皮膚の深いところで膿の通り道ができてしまう疾患もあります。放置すると硬いしこりや複雑な傷跡が残るため、迅速な消炎処置が重要です。

背中・肩のおでき

背中や肩は、自分では見えにくいため発見が遅れ、「癰(よう)」と呼ばれる巨大なおできに発展しやすい部位です。 背中の皮膚は厚いため、膿が表面に出てこられず、皮膚の深いところで横に広がってしまうことがあります。強い痛みや熱感がある場合は、広範囲に炎症が波及している可能性があるため、早急に開口部を作って膿を排出させる(切開排膿)必要があります。

耳(耳たぶ・耳の裏)のおでき

耳たぶは、ピアスの穴の周囲に粉瘤ができやすく、それがおでき化してパンパンに腫れ上がることがよくあります。 耳は複雑な軟骨で構成されているため、おできの炎症が軟骨にまで及ぶと「耳介軟骨膜炎」を引き起こし、耳の形が変形してしまう恐れがあります。痛みが強い場合は、軟骨を守るためにも早急な専門的治療が必要です。

お尻・太もものおでき

お尻や太ももは、座る際の圧迫や下着による摩擦が常に加わるため、おできが最も発生しやすい部位の一つです。 「座ると痛い」という症状で気づくことが多く、皮下脂肪が厚いためにおできも深く、大きくなりやすいのが特徴です。また、肛門に近い場合は「痔瘻(じろう)」など別の疾患との鑑別も必要になるため、正確な診察が欠かせません。

頭皮のおでき

頭皮は髪の毛によって蒸れやすく、また毛穴が密集しているため、細菌感染が広がりやすい部位です。 洗髪時に痛みや引っかかりを感じることで気づきます。頭皮のおできを放置して炎症が深刻になると、その部分の毛根がダメージを受け、永久的な脱毛斑(毛が生えてこない部分)が残ってしまうことがあります。髪の健康を守るためにも、早期の治療が望まれます。

足の裏・指のおでき

足の裏や指先のおできは、歩くたびに全体重がかかるため、他の部位よりも強い痛みを感じます。 「魚の目」や「タコ」だと思って自分で削ってしまい、そこから細菌が入っておでき(蜂窩織炎など)に悪化するケースが多々あります。特におできが指先にできた場合(ひょうそ)は、骨や腱にまで炎症が及ぶリスクがあるため、迅速な切開排膿が必要です。

おできの原因

指にできたできものの画像

おでき(皮膚の化膿性炎症)が発生する直接的な原因は細菌感染ですが、そこに至る背景には「皮膚の状態」「生活習慣」「持病」など、いくつかの要因が重なっています。

細菌の侵入と増殖

おできの直接的な原因の多くは、「黄色ブドウ球菌」などの細菌です。これらの菌は健康な皮膚にも存在する常在菌ですが、毛穴の奥や小さな傷口から侵入し、内部で異常増殖することで炎症を引き起こします。特に汗腺や皮脂腺が発達している部位は、細菌にとって増殖しやすい環境となります。

皮膚のバリア機能の低下

通常、皮膚の表面はバリア機能によって守られていますが、以下のような条件下ではおできが発生しやすくなります。

乾燥・肌荒れ

皮膚が乾燥して亀裂が入ると、そこが細菌の侵入経路になります。

蒸れと摩擦

脇や股など、常に湿りやすく衣類との摩擦が多い部位は、角質がふやけてバリアが弱まり、細菌が毛穴の奥へ入り込みやすくなります。

過剰な皮脂

皮脂が毛穴に詰まると、細菌の餌となり、炎症を加速させます。

炎症性粉瘤(できものが
原因となるケース)

「おでき」として受診される方の多くに見られるのが、もともと存在していた「粉瘤(アテローム)」が感染を起こすパターンです。 皮膚の下にできた袋(嚢腫)の中に角質や皮脂が溜まっているため、何らかの拍子に細菌が入り込むと、袋の中で爆発的に増殖します。これを「炎症性粉瘤」と呼び、一般的なおできよりも腫れが強く、痛みも激しくなる傾向があります。

生活習慣と全身状態の影響

おできを繰り返したり、一度に複数できたり(癰・よう)する場合は、体調面の影響も考えられます。

免疫力の低下

疲労、ストレス、睡眠不足などで免疫力が落ちていると、普段なら抑え込める程度の細菌にも体が負けてしまい、おでき化します。

持病の影響

糖尿病などの持病がある方は、細菌に対する抵抗力が弱まり、おできが重症化したり治りにくくなったりすることがあります。

自己処置による悪化

「ニキビだと思って潰した」「針で突いた」といった自己処置も、おできの大きな原因です。 手指に付着している細菌を皮膚の深部に押し込んでしまったり、不衛生な器具で傷を広げたりすることで、ただの小さな炎症が深刻な「おでき」へと悪化してしまいます。

治りにくい「おでき」は
悪性腫瘍の可能性も

鏡をみる男性の画像

「おでき」がなかなか治らない、あるいは同じ場所に何度もできる場合、それは単なる細菌感染ではなく、背景に重大な疾患が隠れているサインかもしれません。
形成外科専門医は、肉眼での診察やダーモスコピー(特殊な拡大鏡)を用い、そのできものが「一時的な炎症」なのか、それとも「組織そのものの異常(腫瘍)」なのかを的確に診断します。

悪「おでき」と見分けが
つきにくい悪性腫瘍

もし悪性腫瘍(皮膚がん)を「ただのおでき」だと思って放置してしまった場合、以下のような深刻なリスクが生じます。

「がん」自体の
自壊による化膿

皮膚がんは進行すると、中心部の血流が途絶えて組織が死んでしまい(壊死)、そこから細菌感染を起こして「おでき」のように膿が出たり、悪臭を放ったりすることがあります。

周囲組織への
浸潤(しんじゅん)

悪性腫瘍は周囲の正常な組織を破壊しながら根を張るように広がります。放置すると切除範囲が広くなり、術後に顔などの形が大きく変わってしまうリスクがあります。

リンパ節や
他臓器への転移

皮膚がんは進行すると、リンパの流れに乗って転移する可能性があります。こうなると、皮膚の処置だけでは完治が難しくなり、全身的な治療が必要となります。

形成外科で診断を受ける意義

私たちは「ただ脓(うみ)を出す」だけではありません。
おでき状の病変の奥に、悪性を疑う組織の変化がないかを慎重に見極めます。

「治らない傷」への
迅速な対応

2週間以上経っても治らない、あるいは出血を繰り返す「おでき」のような傷は、組織の一部を採取する「病理検査」を行い、がん細胞の有無を確認します。

早期発見による
最小限の治療

早期に発見できれば、多くの皮膚がんは外科的な切除のみで完治を目指せます。

「いつものおできと違う」「市販薬を塗っても一向に良くならない」と感じたら、
手遅れになる前に、皮膚の構造を知り尽くした形成外科専門医へご相談ください。

おできの受診の目安

「そのうち治るだろう」と様子を見ているうちに、炎症が広がって激痛に変わってしまうのがおできの特徴です。
以下のようなサインがあれば、我慢せずに形成外科を受診してください。

痛み・赤み・熱感が強くなってきた

おできとその周囲が赤く腫れ、ズキズキと拍動するような痛み(拍動痛)がある場合は、細菌感染が進行している証拠です。この段階では内部で膿が急速に溜まっており、放置すると炎症が深い層(皮下組織)まで広がり、発熱や全身のだるさを引き起こすこともあります。

皮膚がパンパンに張って
「膿」が見える

腫れが進んで皮膚が薄くなり、中心部に白や黄色の「膿の点」が見えてきたら、いつ破裂してもおかしくない状態です。無理に自分で潰すと細菌を奥に押し込んでしまうため、形成外科で適切に切開して膿を出し切る(切開排膿)のが、痛みを即座に取り去る最短ルートです。

同じ場所に何度も
「おでき」を繰り返す

「おできが治ったと思ったら、また同じ場所にできた」という場合、単なる毛穴の炎症ではなく、下に「粉瘤(アテローム)」という袋が隠れている可能性が極めて高いです。炎症が治まった「非炎症期」に、形成外科で原因となる袋を摘出しない限り、何度もおできを繰り返してしまいます。

2週間経っても治らない、
表面が崩れている

市販の薬を塗っても2週間以上改善しない、あるいはおできの表面がじくじくして潰瘍(かいよう)のようになっている場合は、単なるおできではないかもしれません。高齢の方に多い「基底細胞がん」や、膿を出しても治らない「有棘細胞がん」などの皮膚がんが隠れているリスクがあるため、専門医による精査が必要です。

糖尿病などの持病がある

糖尿病や免疫に関わる持病をお持ちの方は、細菌に対する抵抗力が弱いため、小さなおできが短期間で広範囲の炎症(癰・よう)や蜂窩織炎(ほうかしきえん)へと重症化しやすい傾向があります。「たかがおでき」と過信せず、早めに医療機関へ相談してください。

おできは予防できるのか?

肌を指さす女性の画像

結論から申し上げますと、おでき(化膿性炎症)は日頃のセルフケアや生活習慣の見直しによって、その発生リスクや重症化を大幅に抑えることが可能です。
特に「おできができやすい体質」だと感じている方は、以下のポイントを意識することで、痛い思いをする回数を減らすことができます。

皮膚を清潔に保ち、バリア機能を整える

おできの直接的な原因は細菌感染です。肌を清潔に保つことは基本ですが、同時に「肌のバリア」を壊さないことも重要です。

適切な洗浄

汗をかきやすい脇やお尻などは、低刺激の石鹸で優しく洗い、細菌の増殖を抑えます。

保湿の徹底

肌が乾燥してカサつくと、目に見えない微細な傷から細菌が入り込みやすくなります。保湿剤でバリア機能を補い、菌の侵入をブロックしましょう。

摩擦と蒸れを解消する

おできは、皮膚がこすれる場所や蒸れる場所に発生しやすい傾向があります。

衣類の選択

通気性の良い綿素材などの下着を選び、湿気がこもらないようにします。また、サイズにゆとりのある服を選び、皮膚への摩擦刺激を減らすことも有効です。

カミソリ負けに注意

脇や髭などの自己処理で皮膚を傷つけると、そこから細菌が入って「毛嚢炎」や「おでき」に発展します。カミソリの使用は控え、清潔な器具を使用するか、医療脱毛などを検討するのも一つの予防策です。

炎症性粉瘤への悪化を防ぐ

「おでき」として腫れ上がる原因の多くは、もともとある「粉瘤(しこり)」の感染です。

潰さない・触らない

小さなしこりがあるとき、自分で押し出そうとすると袋が皮膚の下で破裂し、猛烈な痛み(炎症性粉瘤)を引き起こします。気になっても絶対に触らないことが最大の予防です。

無痛のうちに摘出する

「いつかおできになりそうなしこり」がある場合は、炎症が起きる前に形成外科で袋ごと取り除いてしまうのが、最も確実な予防法です。

全身の免疫力を維持する

おできが一度に複数できたり、何度も繰り返したりする場合は、体の抵抗力が落ちているサインかもしれません。

生活リズムの改善

十分な睡眠とバランスの良い食事は、細菌に対する免疫力を高めます。

持病の管理

糖尿病などの持病がある方はおできが重症化しやすいため、主治医と相談しながら血糖コントロールを適切に行うことが、おできの予防に直結します。

まとめ:専門医が推奨する
「予防」の考え方

おでき予防の本質は、「菌を増やさない・入れない・刺激しない」の3点に尽きます。

日々のスキンチェック

痛みが出る前の小さな「赤み」や「しこり」に早く気づく。

自己処置をしない

針で突いたり潰したりするのは、おできへの「招待状」です。

早めの形成外科相談

腫れ始める予兆があったら、膿が溜まる前に抗生剤を開始したり処置をしたりすることで、痛い思いをせずに済みます。

これらを意識することで、もしおできができても、最小限の期間と負担で治すことができます。

おできの治療方法

おできの治療において最も優先されるのは、「痛みと炎症を速やかに抑えること」です。
形成外科では、炎症の段階に合わせて最適な処置を選択します。

炎症に対する緊急処置(切開排膿)

おできが赤く腫れ、内部に膿(うみ)が溜まっている場合に行う最も効果的な処置です。 局所麻酔を行った後、皮膚を数ミリ切開して溜まった膿を外へ排出します。膿を出すことで内部の圧力が下がり、その場で劇的に痛みが軽減します。 切開部はあえて縫わずに、数日間膿を出し切りながら洗浄を行うことで、感染の拡大と重症化を防ぎます。

炎薬物療法(初期の消炎・術後管理)

炎症の初期段階や、切開排膿後の補助療法として行います。

抗生剤・消炎剤

細菌の増殖を抑え、痛みや腫れを引きかせます。

外用薬

患部を清潔に保ち、皮膚の再生を促す軟膏を処方します。 持病やアレルギーに配慮し、最適な薬剤を選択します。

根治手術(再発防止のための摘出)

おできの原因が「粉瘤(アテローム)」であった場合、膿を出して炎症が収まっても、皮膚の下には「袋」が残っています。放置すると数ヶ月以内に必ず再発するため、炎症が完全に鎮静化した後(通常2〜3ヶ月後)に根治手術を検討します。

切除縫合法

形成外科特有の「真皮縫合」を用い、傷跡を一本の細い線のように目立たなく仕上げます。

へそ抜き法(くり抜き法)

特殊な器具で小さな穴を開け、袋を抜き出す低侵襲な方法です。傷跡が極めて小さく、ダウンタイムが短いのがメリットです。

悪性腫瘍(がん)疑われる場合の治療

「治らないおでき」の背景に悪性腫瘍が隠れている可能性がある場合、より慎重な治療戦略を立てます。

病理組織検査

摘出した組織を顕微鏡で詳細に調べ、診断を確定させます。

広範囲切除術

悪性であった場合、再発を防ぐために腫瘍の周囲を含めて大きく切除します。

再建手術

広範囲の切除で生じた欠損に対し、「皮弁(ひべん)」や「植皮(しょくひ)」といった形成外科技術を用いて、見た目と機能を回復させます。 ※高度な治療が必要な場合は、連携する大学病院やがんセンターへスムーズにご紹介いたします。

治療のゴール:きれいに、確実に治す

おできは、単に膿を出して終わりではありません。

即座に痛みを取る
(緊急処置)

原因を特定する
(診断・病理検査)

再発を防ぐ
(根治手術)

跡を残さない
(形成外科的縫合)

このステップを確実に踏むことで、将来の不安を解消し、美しい肌を取り戻すことができます。

おできは何科を受診するべきか

考える女性の画像

おでき(赤く腫れた痛みや膿)が生じた際、「皮膚科」と「形成外科」のどちらに行くべきか迷われる方は多いですが、形成外科は「おでき」のあらゆる段階(消炎・膿出し・根治手術)に対応する診療科です。
特に、「痛みが強くて今すぐ楽になりたい」「おできが治った後にデコボコした跡を残したくない」という場合には、形成外科の受診が非常に適しています。

形成外科専門医を受診するメリット

痛みを即座に緩和する
「外科的処置」

おできの痛みの正体は、皮膚の下に溜まった「膿(うみ)」による圧迫です。形成外科では、飲み薬だけで様子を見るのではなく、必要に応じてその場で「切開排膿(膿を出す処置)」を行います。局所麻酔を工夫して痛みを抑えながら膿を排出するため、受診したその日に痛みを劇的に和らげることが可能です。

炎症を鎮める
「的確な薬物療法」

おできの初期段階や、切開後のケアとして、抗生剤や消炎剤を用いた内服・外用治療を並行して行います。形成外科は「切る」だけでなく、皮膚表面のトラブル(毛嚢炎やニキビなど)に対する薬物療法も専門としています。細菌の種類や炎症の強さを見極め、最適な薬剤を選択します。

「跡を残さない」ための
高度な技術

おできは放置したり無理に潰したりすると、治った後に皮膚が陥没したり、硬いしこりが残ったりしがちです。形成外科専門医は、炎症が起きた組織をいかにダメージ少なく修復するかを熟知しています。特に顔や首など目立つ場所のおできにおいて、将来的な傷跡を最小限にするアプローチは形成外科の最大の強みです。

再発を根絶する
「二次的な手術」

何度も同じ場所におできができる場合、その下には「粉瘤(アテローム)」という袋が隠れているケースがほとんどです。おできの腫れが引いた後、原因となっている袋を精密な手術で摘出できるのは形成外科ならではです。これにより、「おできのループ」を根本から断ち切ることができます。

まとめ:当院(つかもと
形成外科)での対応

当院では、日本形成外科学会専門医である院長が、「今ある痛みをどう取るか」と「将来的に跡を残さない」の両面からアプローチします。
おできは我慢すればするほど処置が大変になり、傷跡も残りやすくなります。「赤くなってきた」「触ると痛い」と感じた段階で、早めにご相談ください。垂水駅すぐの立地にあり、神戸や明石からも迅速な処置を求めて多くの患者様にご来院いただいています。

できものの治療の流れ

神戸市垂水区のつかもと形成外科・創傷クリニックのカウンセリングの画像
1 保険診察
スタッフより注意点をご説明後、形成外科医がおできの状態を確認し、症状に応じた治療方法をご提案いたします。
神戸市垂水区のつかもと形成外科・創傷クリニック施術の画像
2 施術
服や外用薬で改善を図るほか、膿がたまっている場合は局所麻酔下で切開・排膿を行うことがあります。症状によっては、後日処置のご予約をいただく場合がございます。
薬を塗る手の画像
3 アフターケア
処置後は、ご自宅でのケア方法をご案内いたします。気になる症状があれば、早めにご相談ください。

おできのよくあるご質問

「おでき(癰・せつ・炎症性粉瘤)」に関して、診察室で患者様から頻繁にいただくご質問をまとめました。
急激な痛みや腫れでお困りの際、受診の判断材料としてお役立てください。

Q

おできは、自分で潰してもいいですか?

A

絶対に避けてください。無理に潰すと、細菌を皮膚の奥深くへ押し込んでしまい、炎症が広範囲に広がって重症化(蜂窩織炎など)する恐れがあります。また、不衛生な器具や指で触ることで、傷跡が深く残ったり、治りが遅くなったりするため、専門医による清潔な環境での処置(切開排膿)が必要です。

Q

おできは、自然に治る・
消えることはありますか?

A

軽度の毛嚢炎であれば自然治癒することもありますが、痛みや腫れを伴う「おでき」の場合、膿が外に出ない限り悪化し続けることが一般的です。また、粉瘤が原因のおでき(炎症性粉瘤)は、一時的に膿が出て腫れが引いても、原因である「袋」が残っている限り必ず再発します。

Q

おできは、癌(がん)などの悪性腫瘍の可能性はありますか?

A

多くは細菌感染によるものですが、稀に「なかなか治らないおでき」だと思っていたものが皮膚がんであったり、悪性腫瘍が感染を起こして膿んでいたりすることがあります。抗生剤を飲んでも改善しない、出血を繰り返す、じくじくして2週間以上治らないといった場合は、早急な鑑別診断が必要です。

Q

おできは、何科を受診するのが正解ですか?

A

形成外科または皮膚科を受診してください。形成外科は「切る」処置の専門家ですので、膿が溜まって激痛がある場合の「切開排膿(膿出し)」を、痛みに配慮しながら迅速に行うことができます。また、おできが治った後の傷跡をきれいに保ちたい方にも形成外科が適しています。

Q

おできは、なぜ何度も同じ場所にできるのですか?

A

その場所の皮膚の下に「粉瘤(アテローム)」という老廃物の袋が隠れている可能性が非常に高いです。袋がある限り、体調不良や蒸れをきっかけに何度でも細菌感染を起こしておでき化します。根本的に治すには、炎症が落ち着いた時期に手術で袋ごと摘出する必要があります。

Q

おできは、受診したその日に
膿を出してもらえますか?

A

はい、可能です。診察の結果、膿が溜まっていて切開が必要と判断した場合は、その場で局所麻酔を行い、数ミリの切開で膿を排出する処置を行います。これにより、圧迫による激痛からその日のうちに解放されます。

Q

おできの処置(切開排膿)は
痛いですか?

A

おできそのものが非常に痛いため、処置には局所麻酔を使用します。炎症が強い部位は麻酔が効きにくいこともありますが、極細の針を使用し、できるだけ痛みを軽減するよう工夫して行います。膿が出ることで、処置後には痛みが劇的に楽になることがほとんどです。

Q

おできは、保険適用で
治療できますか?

A

はい、おできの処置や手術、お薬の処方はすべて保険適用となります。急な腫れや痛みで困った際、美容目的の自由診療とは異なり、国が定めた診療報酬(3割負担など)に基づいた費用で適切な医療を受けることができます。

Q

子供におできができた場合、
どうすればいいですか?

A

お子様は大人よりも皮膚が薄く、炎症が広がると重症化しやすいため、早めの受診をお勧めします。「石灰化上皮腫」が感染を起こしておでき状になることもあります。痛がって触ってしまうと悪化するため、早めに専門医で膿を出すなどの適切な処置を受けてください。

Q

おできの手術(根治治療)を
すれば、もう二度とできませんか?

A

原因となる粉瘤の袋を完全に摘出すれば、同じ場所から再発することはほぼありません。ただし、おできができやすい体質(皮脂が多い、蒸れやすいなど)の方は、別の毛穴から新しいおできができる可能性があるため、日頃のスキンケアや予防が大切です。

おできページの監修者情報

おできが気になる方へ:
当院のアクセス

神戸市内・明石市・加古川市・淡路島・徳島方面からの当院へのアクセスをご紹介させていただきます。
当院はJR「垂水駅」・山陽電鉄「山陽垂水駅」から徒歩3分、垂水区役所のすぐ北側という非常に利便性の高い場所に位置しております。神戸市内各区はもちろん、明石・加古川方面、さらには淡路島や徳島県からも多くの患者様にご来院いただいております。

神戸市内(垂水区・須磨区・
西区・長田区・北区など)から

電車でお越しの方

JR神戸線・山陽電鉄を利用し「垂水駅」下車。須磨・長田・三宮方面からも乗り換えなしでスムーズにアクセス可能です。

バスでお越しの方

垂水駅は各方面からのバス路線が充実しており、垂水区内・西区(学園都市方面)からも快適にご来院いただけます。

お車でお越しの方

第二神明道路「高丸IC」または「名谷IC」より約10分。クリニック近隣にはコインパーキングが多数ございます。

明石・加古川・姫路方面から

JR神戸線

「明石駅」から新快速・快速を利用して約5分、「加古川駅」からも約20分と、県西部からも短時間でアクセスいただけます。

山陽電鉄

沿線にお住まいの方は、山陽垂水駅直結の利便性を活かして、お買い物やお仕事帰りにお立ち寄りいただけます。

茨木市内から

国道171号線を西へ直進するルートが分かりやすく、お車でのご来院がスムーズです。公共交通機関をご利用の場合は、JR茨木駅や阪急茨木市駅から運行されている「「箕面萱野駅(キューズモール前)」行きの路線バスが便利です。

淡路島・徳島方面から

高速舞子バス停を経由したアクセスが
非常に便利です。

高速バスでお越しの方

淡路島内や徳島市内からの高速バスで「高速舞子」バス停下車。JRまたは山陽電鉄に乗り換え、一駅(約2分)で垂水駅に到着いたします。

お車でお越しの方

神戸淡路鳴門自動車道「垂水IC」より南へ約10分。淡路島・四国方面からも日帰りでシミ取り治療やカウンセリングに通っていただけます。

当院の所在地

つかもと形成外科・創傷クリニック

〒655-0893
神戸市垂水区日向二丁目2-4
垂水日向ビル 2F(垂水区役所北側)
お問い合わせ:078-742-7792

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