

粉瘤(アテローム)の手術が決まった、あるいは手術を検討している段階で、「当日はどんな服装で行けばいいのだろう?」「特別な持ち物は必要なの?」「仕事帰りの格好でも大丈夫?」と疑問に思う方は非常に多くいらっしゃいます。粉瘤の手術はすべて「入院」の必要がない日帰り手術(保険診療)ですが、手術を受ける部位によっては、術後の傷口を保護するために少し大きめのガーゼを当てたり、包帯を巻いたりすることがあります。そのため、当日の服装選びにはいくつかの大切なポイントがあります。
当院(つかもと形成外科・創傷クリニック)では、患者様が少しでもリラックスして当日を迎えられるよう、手術当日の服装・持ち物・全体の流れをロジカルに分かりやすく解説します。
【部位別】粉瘤の手術当日に
「おすすめの服装」と
「避けるべき服装」
手術室での着替えをスムーズにし、術後に傷口を締め付けないよう、粉瘤ができた「部位」に合わせて以下の服装でお越しいただくことをおすすめします。
1. 顔・首・顎(あご)の粉瘤手術の場合
おすすめの服装
前開きのシャツ(ボタン付き)、ブラウス、ジッパー付きのパーカーなど
避けるべき服装
首元の詰まったTシャツ、タートルネック、頭から被って脱ぐタイプのセーター
理由
手術後に首元が詰まった服を脱ぎ着すると、衣服の生地が顔や首の傷口(保護ガーゼ)に強く擦れてしまい、痛みや出血の原因になります。
必ず「頭を通さずに着脱できる前開きの服」をお選びください。
2. 背中・肩・腰の粉瘤手術の場合
おすすめの服装
ゆったりとしたスウェット、オーバーサイズのTシャツ、前開きの服
避けるべき服装
高級な白い服、タイトなインナー、補正下着、ボディスーツ
理由
背中や腰の手術後は、傷口をしっかり保護するために少し厚めのガーゼを当てます。
ピタッとした服だとガーゼの形が外に響いてしまったり、傷口が圧迫されて痛む原因になります。また、術後は稀に少量の血液や浸出液がガーゼに染み出ることがあるため、万が一汚れても洗える「色付きのカジュアルな服」がベストです。
3. おしり・太もも・デリケートゾーン
(陰部)の粉瘤手術の場合
おすすめの服装
ウエストがゴムのゆったりしたズボン、幅の広いガウチョパンツ、ロングスカート
避けるべき服装
タイトなスキニージーンズ、ストッキング、きついガードルや補正下着
理由
術後は下着の上にガーゼを当てるため、締め付けの強いズボンやジーンズを履くと傷口が激しく圧迫されて強い痛みを感じます。また、おしりや股の周りは歩くたびに摩擦が起きやすいため、できるだけ風通しの良い、締め付けゼロのボトムスでお越しください。
4. 脇の下(わき)・腕の粉瘤手術の場合
おすすめの服装
袖口が広めのゆったりとしたアウター・トップス
避けるべき服装
袖がタイトなインナーやシャツ
理由
脇の下や腕の手術後は、腕を動かしたときに傷口が引っ張られないよう、包帯や大きめのテープで固定することがあります。袖が細い服だと、腕が通らなくなってしまいます。
手術当日の
「持ち物チェックリスト」
当日は、以下のものをご持参のうえクリニックへお越しください。
健康保険証
(またはマイナ保険証)
粉瘤手術は保険適用となりますので必ずご持参ください。
現金またはクレジットカード
手術費用(当院は各種クレジットカードによるお支払いにも対応しております)。
お薬手帳
現在、他院で血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬など)を飲まれている方は、必ず事前に医師にお知らせください。
ヘアゴム
(髪の長い方)
顔、首、背中の手術の際、髪の毛が傷口にかからないようまとめるために使用します。
【推奨】帽子やサングラス
(顔の手術の方)
お顔の手術後、保護ガーゼを貼った状態で帰宅する際、周囲の目が気になる方は帽子や深めのサングラスがあると非常に便利です。
来院からご帰宅まで
「当日のタイムライン」
「日帰り手術って、実際どれくらい院内にいるの?」という方のために、当日のリアルな流れをまとめました。
| 時間の目安 | ステップ | 処置・対応の内容 |
|---|---|---|
| 受付(予約時間の10分前) | ① ご来院・受付 | 問診票の確認や、当日の体調チェックを行います。 |
| 約15分~20分 | ② 術前の診察・デザイン | 専門医が改めて粉瘤の状態を確認し、最も傷跡が目立たなくなる切開線(シワのライン)を皮膚にマーキング(デザイン)します。 |
| 約15分~30分 | ③ 日帰り手術の実施 | 手術室へご案内し、極細針による局所麻酔を行います。麻酔が効いたことを確認後、丁寧に粉瘤(袋ごと)を摘出します。手術自体は無痛です。 |
| 約10分 | ④ 術後の止血確認・保護 | 傷口を綺麗に洗浄し、適切なガーゼや医療用テープでしっかりと保護します。 |
| 約10分 | ⑤ 術後のご説明・お会計 | 自宅での過ごし方の注意点をお伝えし、痛み止め(ロキソニン等)を処方してお会計となります。そのままご帰宅いただけます。 |
※全体の滞在時間は、受付からお会計までおおむね「1時間〜1時間半程度」です。
つかもと形成外科・創傷
クリニック 塚本院長から
患者様へメッセージ
粉瘤の手術を控えた患者様から「どんな格好で行けばいいですか?」「緊張して昨夜眠れませんでした」といったお声をいただくことは珍しくありません。
私たちは、手術の技術を高めることはもちろんですが、来院されてからお帰りになるまでの「すべての時間」において、患者様がストレスなく、安心して過ごせるホスピタリティを提供することも形成外科クリニックの大切な使命だと考えています。
当日の服装や持ち物について、もし「これで大丈夫かな?」と迷うことがあれば、遠慮なく事前にお電話や受付スタッフにお尋ねください。当日はリラックスできるお気に入りの楽な服装で、どうぞ安心してお越しください。スタッフ一同、万全の準備でお待ちしております。
院長
塚本 金作
Kinsaku Tsukamoto