

頭を洗っているときに指先にボコッとした硬いしこりを触れたり、耳の後ろや耳たぶに触ると痛い塊を見つけたりして、不安になっていませんか?
頭部や耳の周りは、皮脂の分泌が盛んなため粉瘤(アテローム)が非常に発生しやすい場所です。しかし、「頭の手術をすると髪の毛を剃られてハゲてしまうのではないか」「耳の傷跡が目立ったら嫌だな」と、治療を躊躇してしまう方がとても多い部位でもあります。
当院(つかもと形成外科・創傷クリニック)では、日本形成外科学会専門医が、患者様のヘアスタイルや外見への負担を最小限に抑える日帰り手術(保険診療)を行っています。頭・耳周りの粉瘤の特徴と治療法についてロジカルに解説します。
頭皮の粉瘤(頭のしこり)手術で髪の毛は剃るの?ハゲない?
多くの患者様、特に女性や髪を短くされていない男性から「頭の粉瘤を取るとき、髪の毛をバリカンで剃られてしまうのですか?」というご質問をいただきます。結論から申し上げますと、当院では原則として、髪の毛を剃る(スキンヘッドや部分剃毛する)ことなく手術を行うことが可能です。
つかもと形成外科による「非剃毛
(髪を剃らない)」手術の工夫
従来の一般的な外科手術では、衛生面や視野の確保のために周囲の髪の毛を部分的に剃ることが通例でした。しかし、傷のプロである形成外科では以下の工夫により、お持ちの髪の毛をそのまま残して治療します。
毛髪を丁寧に分けて固定する
手術前に、粉瘤の真上にある髪の毛をピンや医療用のゼリー等を使って丁寧に左右に分け、しこりの表面だけを露出させます。
毛根の方向を計算してメスを入れる
頭皮の毛根(髪の毛が生えている向き)は斜めに走っています。これらを無視して真っ直ぐメスを入れると、毛根が切断されて術後にそこだけ髪の毛が生えなくなる(ハゲる)原因になります。
当院では毛根の走行を顕微鏡レベルで見極め、毛根の隙間をすり抜けるようにミリ単位で切開するため、術後にハゲる心配がほぼありません。
耳の後ろ・耳たぶの粉瘤はなぜ「腫れて痛くなりやすい」のか?
耳の周り(耳介後部や耳垂)も、粉瘤が多発する代表的な部位です。
耳周りの粉瘤は、普段は小さなコリコリとした塊ですが、「ある日突然、赤く腫れ上がって激痛を伴う炎症性粉瘤になりやすい」という厄介な特徴を持っています。
マスクやメガネ、ピアスによる
慢性的な「刺激」
現代の日常生活において、耳の後ろはマスクの紐やメガネのフレームが常に接触し、摩擦刺激を受けています。また、耳たぶはピアスの穴あけ(ピアッシング)の際の刺激や、過去のピアスホールの炎症がきっかけで粉瘤が形成されるケース(外傷性粉瘤)が多々あります。
これらの慢性的な刺激や圧迫が加わることで、袋の中に雑菌が入り込み、急激に化膿して痛み出してしまうのです。
知っておきたい頭部の類似疾患
「外毛根鞘嚢腫(がいもうこんしょうのうしゅ)」
頭皮にできる粉瘤に非常によく似たできものに、「外毛根鞘嚢腫(トリキレマール嚢腫)」という良性腫瘍があります。これは髪の毛の根元(毛包)の組織から発生するもので、頭皮にできるしこりのうち一定の割合がこの疾患です。
一般的な粉瘤よりも触った感触がカチッと硬く、球体に近い形をしており、遺伝的に頭頭に何個も「多発」しやすい特徴があります。治療法は通常の粉瘤と全く同じ(袋ごと摘出する手術)ですので、超音波(エコー)できちんと診断したうえで綺麗に除去いたします。
頭・耳周りの粉瘤手術の費用目安
(保険適用・3割負担)
頭皮や耳の粉瘤手術は、すべて健康保険が適用される「保険診療」です。国が定めた診療報酬に基づき、できた場所(露出部か非露出部か)とサイズで決まります。
※「耳たぶ」や「耳の後ろ(生え際より前)」は露出部(顔の一部)、髪の毛に覆われた「頭皮」は非露出部として分類されます。
| できた場所 | 粉瘤の大きさ(直径) | 手術費用の目安(3割負担・切除のみ) |
|---|---|---|
| 頭皮(髪の毛の中) | 直径3cm未満 | 約3,000円~4,000円 |
| 頭皮(髪の毛の中) | 直径3cm以上6cm未満 | 約7,000円~8,000円 |
| 耳たぶ・耳の後ろ(露出部) | 直径2cm未満 | 約5,000円~6,000円 |
| 耳たぶ・耳の後ろ(露出部) | 直径2cm以上4cm未満 | 約10,000円~11,000円 |
※上記は純粋な手術費用(1箇所あたり)の目安です。初診・再診料、お薬代、病理検査費用などが別途かかります。
つかもと形成外科・創傷
クリニック 塚本院長から
患者様へメッセージ
「頭を触るたびにしこりが手に当たって憂鬱になる」「耳の後ろが腫れてマスクをつけるのが痛い」と、頭周りの粉瘤でお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。そしてその多くが、「髪の毛を失いたくない」「ヘアスタイルを崩したくない」という切実な不安を抱えています。髪の毛や顔まわりの美しさを守ることは、患者様のこれからのQOL(生活の質)や前向きな気持ちに直結する非常に大切な要素です。だからこそ、私たち形成外科医は「剃らない」「傷を隠す」「毛根を傷つけない」という特殊な技術にこだわっています。
当院では、手術当日のシャワーの浴び方や、術後のケアについても専門スタッフが分かりやすく丁寧にアドバイスいたします。大切な髪の毛や耳元の美しさを守りながら、痛みのない状態でスッキリと完治させましょう。垂水駅すぐの当院へ、いつでもお気軽にご相談ください。
院長
塚本 金作
Kinsaku Tsukamoto